2008年3月1日土曜日

紡績メーカーの抗ウイルス素材使用マスクに注目

 紡績メーカーの抗ウイルス加工素材を使用したマスクに対し、関心が高まっている。インドネシアや中国などアジア各地で、人にも感染する恐れのある鳥インフルエンザが流行。危機感を抱いた企業が備蓄用に、こうした高機能マスクをまとめ買いしているようだ。

■海外用にまとめ買い

 「今まで鳥インフルエンザに対する危機感はあまりみられなかったが、企業がマスクをまとめ買いするケースが増えてきた。今後、さらに需要が高まるだろう」

 シキボウの辻本裕・開発技術部商品開発課長が気を引き締める。

 同社は平成18年、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の動物衛生研究所と共同で、鳥インフルエンザのウイルスを99・99%以上減少させ、50回の洗濯にも耐える加工繊維「フルテクト」を開発。ウイルス表面のタンパク質が細胞に取り付けないよう変化させる有機系の抗ウイルス剤を繊維に結合させた。

 食品産業用ユニホームや鶏舎用作業着、空気清浄機用フィルター、マスクなどの用途向けに、19年春夏商品から投入。1年目の売り上げ目標2億円をほぼ達成したが、マスク用途の需要が急速に高まっているという。

 その背景には、人にも感染する恐れがあり、新型インフルエンザになる可能性が指摘される「高病原性鳥インフルエンザH5N1」の流行がある。中国では、人から人への感染例が初めて確認されるなど深刻な事態となっている。

■家庭用も2ケタ増

 シキボウの抗ウイルス繊維を使ったマスクは、バクテリア集塵(じん)効率の高いフィルターとともに、保湿性に優れた不織布ではさみこんだ構造。1年目は業務用(30枚入りで4000円程度)をユニホームメーカー経由で販売し、生産量の1割に当たる計約15万枚の売れ行きだったが、「航空や鉄道などの運輸業界や海外に工場を持つメーカーなどに営業に出向くと、昨年末ごろからまとめ買いされるようになった」という。

 ダイワボウも抗ウイルス素材開発メーカーのモチガセ(鳥取市)、鳥取大学(同市)とともに抗ウイルス不織布を開発。これを使ったマスクをモチガセが16年からスーパー大手などを通じて販売し、累計300万枚が売れた。

 モチガセが備蓄用にホームページで販売しているマスクは50枚入り、9800円(税込み)で、昨年12月は70ケースの売れ行きだったが、今年に入って月に400ケースの勢いで売れている。「鳥インフルエンザの脅威を伝える報道などをきっかけに、個人の備蓄需要も拡大している」(同社広報)という。

 日清紡も帯広畜産大と共同で、アルミやナトリウム、ケイ素から成る無機鉱物のゼオライトと綿を複合した抗ウイルス素材を開発。数多くの要望に応え、18年9月にこれを使用したマスクを発売。2枚入りで税込み525円と高価だが、「再購入率が高い」という。

 メーカー44社が加盟する全国マスク工業会(東京)によると、企業のまとめ買いも含む家庭用マスクの生産数量は、平成18年10月~19年9月で約8億4000万枚。「各社ともマスクの機能強化を図っており、ここ3年近くは家庭用が2ケタの伸びを示しているようだ」という。

紡績メーカーの抗ウイルス素材使用マスクに注目 - MSN産経ニュース


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